マンガでやさしくわかるファイナンス(朝倉智也)

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読書

マンガでやさしくわかるシリーズはたまに読んでしまいます。

私の場合、ファイナンスは実務で使っているので理解はしていますが、知らない人に簡単に伝えるにはどうすればいいのかを知りたくこの本を手に取りました。

この本は、ファイナンスと言いながら、半分は決算書について書いています。決算書について理解している人は半分は素通りです。

マンガの内容は進研ゼミみたいな感じなので、すいすい読めてしまいます。そんなうまくいくかと突っ込んでいると、先に進みません。

 

まず、ファイナンスとは、

  1. どこからお金を調達して
  2. 調達したお金をどのプロジェクトに投資して
  3. その投資に対してどう収益を上げて
  4. 収益をどう配分するか

ということを「企業価値全体の向上」を目的として考え、実行すること。

要は、検討事業が将来どれくらいキャッシュが生み出せるから、いまどれくらいをどこから調達して投資するかを判断することです。

そのためには、事業の現在価値を出さないといけません。

事業価値は、将来のキャッシュフローの現在価値です。1年後、2年後・・・と毎年生み出されるキャッシュフローを計算された割引率で割り引いて出します。

ここで用いるキャッシュフローとは、キャッシュフロー計算書の営業活動によるキャッシュフローと投資活動によるキャッシュフローを足し合わせたものです。

割引率とは、その事業のためにお金を出す人が、その事業にどれくらいの利回りを期待するかで決まります。事業のリスクが低く、その企業の信用が高ければ、利回りは低く、事業リスクが高く、その企業の信用が低ければ、利回りは高くなります。

 

ファイナンスを学んだ時に一番面白いなと思ったのがリスクの定義でした。

リスクというのは、失敗する(損をする)確率が高いことと思っていましたが、ファイナンスの世界では「将来の不確かさ」のことを言います。

大きく得をする年もあれば、大きく損をする年もあるような事業は、リスクが高いと言います。逆に将来の収益見込みのブレが小さいことをリスクが小さいと言います。

 

割引率の決まり方について戻ります。

企業にお金を出す人は大きく分けると、債権者(銀行融資)と株主がいます。その人たちの期待する利回り(割引率)というのは、裏を返すと企業にとって資金を集めるために必要なコストと言えます。これを資本コスト(WACC)と呼びます。WACCは借入金利と株主の期待するリターンの加重平均で求められます。

借入金利はわかりやすいですが、株主の期待するリターンというのは、どう求めるのでしょうか。

これは、CAPM(キャップエム)という理論で説明できます。詳細は省きますが、算式は、

リスクフリーレート(国債利率)+β×マーケットリスクプレミアム

で求められます。

 

こうして現在価値を求めたら、投資判断を下さないといけません。

その手法にはNPVとIRRの2種類があります。

NPV(正味現在価値)は、将来のキャッシュフローの現在価値から初期投資額を差し引いたものです。もちろんプラスであれば実行してもよいと判断できます。

IRR(内部収益率)は、投資案件が平均何%で収益を上げられるかを示すものです。少なくとも、資本コストを上回らない案件はダメだと判断することになります。投資するにあたって必要最低限の収益率を「ハードルレート」と言います。

一般的にNPVの方が優れていますが、M&Aの世界ではハードルレートより高いから買収するという話をよく聞き、IRRで判断する会社も多いと思います。

 

こうして、文字で書き起こすと一気に難しく見えますが、それをマンガで実例を用いながら、簡単に説明してくれています。ファイナンスを身近に触れることができる良書だと思います。

 

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